公開講演会「エルサルバドルのビットコイン——実現されない約束か、あるいは成功を待つプロジェクトか」
INFORMATION
2009年の導入以来、ビットコインは世界で最も使用されている仮想通貨の1つとして着実に成長を続けており、ブロックチェーン技術に基づいたビットコインは、現在多くの国で支払い方法として受け入れられている。2021年後半、エルサルバドルはビットコインを法定通貨とすることで、この傾向をさらに進めた。2022年4月、中央アフリカ共和国(CAR)も同様の措置をとったが、1年後にこの決定は覆された。仮想通貨を法定通貨とすることは、中央集権的な通貨システムの役割について多くの疑問を引き起こしており、経済的および法律的な観点からこの問題を調査した膨大な学術研究が蓄積されている。しかし、社会学の観点からビットコインの採用、使用、認識を調査した文献はほとんどない。本報告では、生活水準を上げるためのゼロコスト政策として、エルサルバドル政府がビットコインをどのように推進しているか、また国民の一部がビットコインをいかに懐疑の目で見ているかを明らかにする。また、人々の認識や経済的決定に影響を与える政治的および社会的文脈を明確にしながら、ビットコインの日常生活への統合に関する進行中の研究についても掘り下げて議論する。最後に、デジタル経済と仮想通貨が、一方で既存の包含/排除の形態を強化し、他方で新しい社会的力学を引き起こす仕組みを探る。
講師
Aarhus University准教授、本学在外招聘教員
Vladimir Douglas Pacheco Cueva 氏
Griffith University博士(2003)。Monash University講師、University of Queensland研究員等を経て、2014年からAarhus University准教授。専門は、CSR(企業の社会的責任)研究、途上国開発におけるコミュニティ関与および会経済的評価、環境リスク研究などである。著書にGovernance of Arctic Oil and Gas Activities(共著、2017)など、論文に“A Case Study of the Carmichael Coal Mine from the Perspectives of Climate Change Litigation and Socio-Economic Factors.” Law, Environment and Development Journal Vol. 17/1(共著、2021)などがある。2023年度11月16日から、在外招聘教員として本学に滞在し、学生指導を行っている。
通訳者
東洋学園大学准教授
竹内 雅俊(たけうち まさとし) 氏
中央大学大学院法学研究科博士課程満期退学。本学、武蔵大学などでの非常勤講師を経て現職。専門分野は、国際関係論、国際法、国際機構論。著書に『国際関係学〔第3版〕:地球社会を理解するために』(共著、2021)、『善き経営GBIの理論と実践』(共著、2016)などがある。
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対象者
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- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料